社長の独創的アイディアと新価値への道。それは何気無い日常から新たな空間を探し求めること
 
2009/06/05:ルーツ

塩ビ溶接(プラスティック溶接)といっても一般の方や全くの異業種の方などは
ほとんどお目にかかったことはないと思いますが
私どもは金属の溶接はもちろんのこと、塩ビ管(VP/VU管)の
接合部分の溶接なども行っています。


と言いましても溶接の仕事を専門とした会社ではございません・・・


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では何故、板金の仕事をしている私どもが塩ビ管(VP/VU管)を取り扱い
また溶接などをしているのか?


少し説明させて頂きます。


話は大むかしにさかのぼりますが、
本来の日本家屋はほとんどが、木材からできていたことはご存知のことと思います。


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例えば屋根にあたる部分はススキやチガヤなどを材料とした
いわゆる茅葺き屋根と言うのが最も代表的です。他では藁葺(わらぶき)とか草葺(くさぶき)
と言う呼び方もあるみたいです・・・


茅葺の住宅は世界各地でもっとも原初的な屋根とされ、日本では縄文時代、
年代でいうと今から約16,500年、屋根だけで壁にあたる部分の無い、
皆さんご存知の竪穴式住居と言うのが最古の家とされています。


時代が進むにつれ住宅も高床式になり、その後壁ができ、現代のような住宅に
進化してきたと考えられています。


それから何十年か何百年かわかりませんが住宅を建てる際、
「番匠(ばんじょう)」又は「木工(こだくみ)」今で言う大工と言われる人が現れました。


しかし当時は現代のような多種多様の職人さんたちが居た訳ではありません・・・


当然ですよね。物が何にもないんですから・・・


詳しいことは分かりませんがその後、日本家屋に金属が取入れられ
(鉄・銅)それを加工し取付る人が現れました。


昔の呼び方で飾職・鍛冶屋と言われる人です。


聞くところによると飾職・鍛冶屋より以前に鋳掛け屋と言う、当時日常品の鍋や釜を
主に作っている人が居たそうですが・・・


実はその人たちが、私どもの今の職業、板金業のルーツとされています。


そう考えると、私達の職種は建築の中でもかなり歴史が古いと考えられます。


その人たちは非常に手先が器用で何でも一から作ります。


その器用さを活かし、建物で言えば雨漏れが特に心配な部分に板金を付けたり、
木が腐りやすい部分には金属で装飾したりと高度な技術で金属の特性を活かし
(鉄や銅)を叩いたり曲げたりして製品にしていました。


それにともない、(鉄や銅)を板状に加工して雨水を効率よく排出する為のもの
(雨樋や雨押え)を作ったりしてきました。


このことからも昔の飾職・鍛冶屋・鋳掛け屋たちと現代の私たちの仕事として
板金と雨水と密接な関係があることがご理解頂けたと思います。


その後、日本では1945年以降、急速な人口増加と時代背景とともに住宅事情も大きく変わりました。


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高度経済成長に伴い輸入製品や本格的な石油製品などの生産が始まり
私どもの扱う雨樋に関わる商品も、ほとんどが塩ビ製に代わりました。


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その背景から、現代では設備関係の配管工であったり、水道工事関係であったりと
いろんな職種の方たちが行なうようになり、住宅もどんどん高層化され、
大規模マンションは、1棟あたり、何千メートルも雨樋を取付ることもあります。


そんな中、私どもとしましても、


多種多様化の今日にも伝統的に受け継がれてきた本来の板金業の分野
として雨樋工事を現代の建築志向また建築文化、建築の社会性に対してどのように
対応して行くべきか求められているのだと思います。

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